モシモのハナシ


もしも今現在の記憶を持ったまま、人生をやり直す事が出来たら…。

貴方はどうしますか?



最近のテレビドラマで、現在の自分が大昔にトリップする話や異世界に行く話などがドラマになっている。勿論、ゲームや漫画、小説など…空想の中であり得ないから人は惹きつけられるものだったりする。

一種の妄想。


(もし自分が、自分で無い誰かだったら…)


そんな風に思う事は自由であり、夢のある話だと俺は思う。

叶わないから願うし、願いが叶えば、更に欲深い願いが出る。結局、隣の芝は青いのだ。それに気がつかずに、願い続ける。

昔は、俺もIFを願った事もあった。


友人のジャンの死と…同じく友人であるサービスの左目を失ったあの日。俺は、過去を遡って変えればと強く願った。

科学者であり、非現実的な事を否定的な俺だったが、切に願った。


(ジャンが死ななければ…サービスは左目を失わなかった)


それを変えることが出来れば、全てが上手くいくのではないのかと…そう思った。

けれど、それは神の領域。俺の願いがもしも叶ったとしたら、世界中は死の無い世界になるし、世界の理が崩壊するだろう。第一、過去を変えても、変わる前の今の自分と変えた自分の矛盾が生まれる。それはまるで、幹から生まれる枝の様に。

それに気がついた時、過去は変えられないなら、今を後悔しない様に生きるしか無いと思った。


どうせ変えた世界でも、人は我儘だから完璧に納得する日は来ない。

なら…変えなくても好いし、今を生きたい。


時々、『もしも』を願い、空想を広げる事があったとしても…俺は声を大にして言えるだろ。


-もしも今現在の記憶を持ったまま、人生をやり直す事が出来たら…。貴方はどうしますか?-


そんな神の声であっても、俺はそう答えるだろう。


「基本はやり直さないね。やり直さなきゃいけなくなっても。きっと俺は前と同じ人生をたどるだろ」


おわし


(web拍手掲載時期2009.11.26.〜) From:Koumi Sunohara


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