キリ番リク駄文(83000HIT夏人様に捧ぐ)

−偶然が生んだ産物−





必然は度重なる偶然の中に成り立つものだ。
そんな言葉を言う人が居るけれど、私はあまり信じて居なかった。
だけど、その考は些細な事で覆された。
そりゃ〜もう、現在進行系で・・・。


晴れた空。気持良く過ぎる予感の休日の一コマ。
今日の予定もバッチリで、残すは映画を見るという予定だけ。
一人きままな休日なので、せこせこ動き回らなくても良い。のんびりとした休日に、私はとっても満足していた。

(本当に、天気良いね〜。こんなにゆったり出来る何て、本当絶好の休日だよね今日てさ)

大きく息を吸い込んで、そんな想いに駈られる。

私はぼんやり街を散策しながら、見たい映画の上映時間を潰していた。
これは何時もの休日プランの一マクだから、今日も何気無い休日が過ぎると信じて疑わなかった。
それなのに、私にとっての非日常が卷きおこったのである。



ぼんやり歩く私に、不意にかかる声。
私は思わず振り返る。
振り返った先には、見知ってはいるけれど、滅多に話す機会の無い相手。
ようは、私にとって以外すぎる人が居る。
まぁ有る意味ではクラスメートだから、普通の事なのだろうが・・・だけど彼と私の接点何てほぼ無いに等しいかった。
むしろ、彼人は私とあまりにも対照的で、一言で言うなら『雲の上の人間』。
そんな言葉がよく似合う人物・・・その名も椎名翼君。
同じ学校の、たまたま同じクラスの同級生。

例えて言うなら有名人と凡人の関係。

気安く話したり何かした事も無いし・・・接点も無いそんな相手なのだけど・・・。

(何故に私は椎名君と対峙しているのだろう?)

思わず浮かぶは、そんな思い。
なのに椎名君は、近所付き合いをしている仲の良い住人に声をかける様に私に声をかけてきたのである。

「おっ。じゃん。買い物?」

私が手に持っている袋を見ながら椎名君は尋ねる。
私は、椎名君の問いにすぐさま言葉を紡ぐ。

「うん、買い物も有るけど・・・。レディースデーだし安いから、ちょっと映画見ようかと思って」

“ははは”と乾いた笑いを浮かべながら私は、正直に椎名君に言った。
別に椎名君に格好つけてもバレそうだし、嘘を言う必要が感じられなかったからと言うことも有るのだけど。
だけど内心心配が渦巻いていた。

(結構筋の通す人ポイから、邪道だって言われるだろうか・・・「正規の値段で見ろよ!」とか言われたりして)

内心そんな事で思いが一杯になりながらも、私は椎名君の言葉を待った。
すると椎名君は、不機嫌そうな顔してい聞いてたのを、不敵な笑みすりかえると、私の想像もしてない言葉が紡がれた。

「邪道だ!って言ってやりたい所だけど・・・別に悪く無いじゃない」

椎名君の突然の言葉に、呆然となる私。

(ちょいまち、今何と?)

そう思ったものだから、勿論反応も遅れる私。

「へっ?」

やっと出た言葉も、そんな間の抜けた言葉だった。
私が鳩が豆鉄砲喰らったように、ポカ〜ンとした顔で椎名君を見ると彼は、してやったりと言った顔で私を見てきた。

「呆けた顔するなよ、。まぁ俺がそんな事以外かもしれないけどさ。でもな、映画高いだろ?頻繁に映画を楽しむのなら尚の事だね。なら安く見ようと思うのは悪い事じゃ無いだろ。映画の日以外でも安くみれる手段が有れば尚の事だろ。金券ショップとかも有りだと俺は思うけど」

さも当然の様に椎名君は私にそんな言葉をくれた。
私は、ホッとしながら言葉を返す。

「そうだよね…。映画って結構高いもんね…セコイ訳でも…邪道って訳でも無いよね」

「そうそう、ラッキーって思えば良いって。セコイ何て思わないでさ…観る内容は変わらないんだしな」

そう言葉を紡いでから「あんまり気にするなって。でも女って特だよな〜…レディースデーも安い何て…ちょっとズルイよな」と少しいじけた口調で椎名君は漏らす。
その言葉に私は取りあえず苦笑を浮かべて誤魔化した。

そんな私の意図に気が付いたのか、何かを思いついたのか…。
彼の意図は分からないが、椎名君は別な話題を私に突然ふってきた。

「で…は何の映画を見るわけ?」

椎名君の不意に質問に、一瞬頭はついていかず…(そう言えば…何か見たいもが有ったかな?)…私は思わず頭を捻る。

「その調子じゃ…行き当たりバッタリって所だね」

「いやはや面目ない」

そう答える私に、「まぁそんな日もあるか」と椎名君は笑う。
そして…。

「それならさぁ〜…。実は俺も映画見に行く途中だったし…見るモノ決まって無いんだったら一緒するか?」

そんな有り難い申し出を言う椎名君に、私は思わず頷いていた。
(たまには、変わった休日を過ごすのも悪くないかな)と思いながら。




今支流のシネマコンプレックスに向かった私達は、目立つ位置にある電光掲示板で見る映画を確認する。
そして椎名君のお薦めの作品が問題無いと判断したので、早速チケットを買う為に少し出来た列に並んだ。
流石にレディースデーと言うだけ有って、私達が並ぶ列は女の人が多く目立つ。
椎名君は男の子の割に…失礼ながら美少女顔なので、列に並んでいても違和感なく…寧ろ馴染んでいる。

(販売員のお姉さん…椎名君のこと間違ったりして)

などと一抹の不安が過ぎりつつ、私達はチケットを買う順番を待っていた。


「本日はレディースデーですので千円になります。お二人合わせて…お会計二千円になります」

見事なまでの営業スマイルで販売員の姉さんは、私達にそう告げた。
見事私の予感は的中…で(キレル…怒る…暴れる…)そんな三大恐怖を心に抱きながら私は、ソロリと椎名君を盗み見る。
すると…。
美少女も裸足で逃げ出すぐらいの極上の笑みを浮かべて、販売員のお姉さんにテキパキと対応するという…信じられない光景が目に入った。
私は思わず(幻覚?…幻聴?…夢)と頭を駆け巡り、呆然としてると…彼は私に声をかけてきた。

「ほら。何ボーっとしてるの…会計だよ

肩を軽く叩きながら紡がれる言葉に、私は少しだけ現実に帰ってくる。
そして「ああゴメン…。お金だねお金」ワタワタしながら、財布から千円札を引き抜くと…営業スマイル全開の姉さんにお金を出した。
売り場の姉さんは、ニッコリ笑って…(まぁ営業スマイル何だろうかが…)チケットを手渡してくれる。
それを確認した椎名君は、ポンと私の背を押した。
何が何だか分からない内に、私は椎名君に背中を押されながら会計を後にする。

私は普段、女の子と間違われるのが嫌いな椎名君の態度が腑に落ちず…怖ず怖ずと彼に声をかけた。
椎名君も、私の言わんとする事が分かったのか…苦笑を浮かべて言葉を紡いだ。

「間違われるのは癪だけど。安く見れるんだから、我慢出来るよ。それより、さっさと映画見に行くよ」

そんな一言を言いながら、促されるように私は椎名君に連れられて指示されたスクリーンへと向かったのだった。
(椎名君って…雲の上の様な人だと思っていたけど…以外に世渡り上手で…しかも面白いし…案外私達とさほど変わらないのかもしれない)と言う思いを抱きながら…。




安い値段で映画を見て、浮いたお金でアイスなどを食べる私達。
友達のコト、仲間への愚痴…そんなコトを言い合ったり、時には笑ったり…。
気が付けば、接点が無かったのが嘘のように私と椎名君との間だにはギコチナイ空気は払拭されていた。
時間を忘れて、楽しい時間を過ごしていたが…空が茜がかり、夕時を告げ始める。
私と椎名君はどちらかと言うわけも無く、話を切り上げた。

「今日は、楽しかったな。の意外な一面も見れたし…」

不敵な笑みを浮かべて椎名君がそんな言葉を言ってくるものだから…。
私も負けじと言葉を紡ぐ。

「それを言うなら、椎名君もね。普段女の子と間違われるの嫌うのに…ナカナカ面白いモノが見れました」

「臨機応変。使えるモノは何でも使うんだよ俺。まぁ〜受付の人が女の人だったのも有るけどさ。何時も間違われるんだから、利用しないと…損ばかっりするの癪だしね」

ニヤリと笑って椎名君は言い返す。
だから私は…「そうだね。特権を利用しないと勿体ないものね」と言えば…椎名君は「も言うようになったじゃん」と苦笑気味にそう言った。
私達はプッと小さく笑いを漏らしながら、軽く片手を上げた。

「「じゃー学校で」」

合い言葉の様に、重なる言葉に笑って私と椎名君はお互いの家路にむかい歩き出したのだった。



笑顔で別れた帰り道−

今日一日を振り返って見て…ちょっぴり、椎名君の印象が変わった日だった。
偶然な出来事だったけど、椎名君の意外な一面も見れたし、仲良くなれた…クラスメートから友人に昇格されたし…。
こんな非日常的な休日も案外有っても良いのかもしれない。
何故なら、意外な出来事が待っているかもしれないから…。




おわし

2004.3.30. From:Koumi Sunohara




★後書きと言う名の言い訳★
83000HIT夏人様へ
大変遅くなってスイマセン。
椎名翼ドリームのお届けです。
申告を受けてから本当に長い時間お渡しできず…本当に遅くなってスイマセン。
では…機会が御座いましたら書かせて下さると幸いです。

From:すのはら江美



キリバン置き場へ