キリ番リク駄文(68680HIT九尾夕理様に捧ぐ)




ぼやけることのない…クリアーな記憶。
目を瞑ればその映像はありありと映し出される。

懐かしくも…もの悲しい思い出の一つで有り…大切な記憶。
四代目火影だった人の記憶。
そして…今の俺が俺である…過程の中のきっかけとなる出来事。





「ねぇ…カカシ…君は、誰かを守りたいと思った事は有るかな?」

四代目火影が…四代目になる少し前に、四代目は俺にそう言ってきた。
俺は、その時意味も分からなかったから思いのまま言葉にした。


「別に…自分の事で大変だから…無いです」


じつにそっけない言葉だった。
でも…その時の俺は、そんな冷めきった奴だった。
四代目はそんな俺に、軽く目を細めて俺を見て言葉を紡いだ。


「そうだね…カカシはまだ若いからね。でも…何時かきっと分かる日が来るよ」


そう言うと四代目は一旦言葉を切って、また言葉を紡ぎ出した。


「俺もね…昔分からなかったけど…最近分かるようになったんだ。だからきっとカカシにも分かる日がくるよ」




そんな話をしていたのは、俺が暗部に入るちょっと前で…。
暗部に入った時同じくして、先生だった彼人も…四代目火影になった。
 
四代目はふいに俺を呼び出した。
俺は何時ものコトって感じに、ぼんやりと話を聞いていた。
が…それは実に思いがけない出来事の幕開けとなったのだ。


「カカシ…今日はね、君に紹介したい子が居るんだ」


「この子は 九尾 夕理…上忍だよ。でもね、まだ3歳なんだ…だかね…コレからカカシが…この子と共に行動して、導いてあげるんだ」


「大丈夫…カカシだから頼むんだよ。 夕理は特殊な子だからね…この若さで上忍だから色々大変だと思うんだ」


「きっと分からなかった答えが… 夕理から知ることになるのだからね。きっと“守りたいと感じるモノ”が身を持って分かるから」


「だかね、 夕理を頼むよカカシ」


呆然としている俺に、四代目はそんな言葉をいって 夕理と俺を引き合わせた。
それが…初めての 夕理と俺の出会いだった。




【過去の宿題と…変わらない気持ち】




初めて 夕理に会ったのは、少し前。
本当に少し前なんだよな〜。

四代目に連れてこられた、 夕理。
小さな小さな女の子。
年齢は…驚く無かれ3歳児(汗)。

いくら自分も若い年齢で、暗部に入ってきたが… 夕理の年にハッキリ言って驚かされた。
だってね〜3歳だよ3歳…。
若すぎる通り越して、幼児なんだよね。

普通の子供ならやっと自我を持って、表情豊かに親に甘え盛りの年。
(と…言うよりも、どうしうてまた忍者に?)って疑問が駆けめぐったよ俺。

そんな年の、お嬢ちゃんがどっこい俺と同期でって言うのだから…流石に驚いた。
一瞬、新手のドッキリかと思うぐらい驚いた。
しかも…四代目が摩訶不思議なコトバ“守りたいと感じるモノ”



そう言えば…後からお仲間連中に聞いた所…、“「カカシて、 夕理を見たとき全然驚いてなかったよな〜」とか「相変わらずの無表情だったぜ」とか口々に勝手なコトを言ってた気がする。


(う〜ん、でもな〜俺的に…結構驚いていたんですけどね〜。ったく…誰が無表情なんだか…結構表情豊かなよ俺ってば)


とか心の中で毒づいたの言うまでもない。
それにしても… 夕理のヤツが…2歳で上忍って…事がかなりの驚きだった。


(何者ですか?と聞きたくなったけどね)


って…俺も人のこと言えないけどね。
何せサクサク若い内に(って俺も十分若いけど)、暗部に居たわけだしさ。
まぁ〜若い年齢で、どんどん出生していくのはこの木の葉の里では珍しい事では、無いにせよ。

夕理の何というか、俺は 夕理の保護者的立場に当てはめられてパートナーを務めることになった。
四代目直々の人選だったから余計だけど。





「あれから13年ぐらい経ったんだな〜」


しみじみと俺はその言葉を口に出す。
晴れた午後。
今日は珍しく休日で…賑やかな生徒から解放されたそんな日だった。
俺は余りにものんびりとしていたので、昔のことをふいに思い出していた。
すると…そこに…。


「お〜う。今時の若い衆は元気だね〜」


のんびりとした声音が俺の真後ろから聞こえる。
先程から思い返していた人物の一人の 九尾 夕理だった。
どうやら今日は、 夕理も休みだったらしい。
俺はそんなコトを巡らせながら、 夕理の方に目線を巡らせた。


「あのね〜 夕理。 夕理の年で…“今時の若い者”とか言っちゃうとさ〜…俺の立場全然無いでしょ。寧ろオジサン通りこして…オジイサンじゃない」


言いながら、俺はオチャラケモードでそう突っ込んでみら。
ついでに、 夕理の額を小突くのも忘れずに(オイ)。


「うぬ〜…だって、暗部に居るのが長いから」


俺に小突かれた額を軽くさすりながら、 夕理は恨めしそうにそう口にした。
そんな、年相応な姿に少し嬉しさと可愛いな〜何て想いながら、俺はニャリと笑って 夕理を見る。


「ハハハハハ…俺の育て方間違ったかな?」


苦笑混じりにそんなことを、 夕理に言ってみれば…案の定不服そうに俺を見てきた。


「なぬ…確かにカカシの世話になったのは事実だけど〜…でもカカシは私の母でもなければ父でもないじゃん」


“だから育てられて無い!!!”とビシイイーと思わず効果音が入りそうな、勢いで俺を指をさして 夕理はそう言い切った。


(言い切るのは良いんだけど…人様に指を向けちゃ〜駄目なんだけどな〜…どこでそんな事覚えてきたんだろう 夕理は…)


何てひとりごちに思ってみたり。
でも我ながら表情には出ていない辺り…凄いかな〜なんて思ったりするところなのだが。
と…言う訳で俺は、何時も通りの口調で 夕理に言葉を返した。


「あのね〜 夕理。そう言うのはモノの例えであってね〜…ジョークってやつなんだよ。でも…本当に年の割に…可愛気が無いよね〜やっぱり育て方間違っちゃたかな俺」


大袈裟に天を仰いでみたりして、俺は 夕理を見た。


「ほ〜万年遅刻癖の忍者様が、子育てだと…カカシはそう言いたいのだね」


腰に手を当てて、“してやったり”という感じの表情を浮かべた 夕理は厳しいお言葉を言ってのけた。


(相変わらず…手厳しいな 夕理は…)


夕理の言葉に直ぐに、そう思う俺。


「言い返す言葉が無いね〜そう言われちゃうとさ」


“ハハハハハハ”と乾いた笑いを浮かべて、 夕理に返してみたりして。





それから他愛もない会話を続けていた俺たちだったが… 夕理が唐突にナルトを連想させる言葉を放った。


「それにしても…お腹減らない〜カカシ〜」


「別に減らないよ俺はね」


「うっそ〜。私はお腹減っちゃったな〜…って言うか…ラーメン!!!一楽のラーメンが食べたいよ〜!!!ラーメン!ラーメン!!!」


俺の言葉に、 夕理は信じられないモノを見る目で見つめて…ナルトを思い出させるような動きを見せた。


(やっぱり…俺…育て方間違ったかな…?ナルトとと良い 夕理と良い…)


休みの日だと言うのに…生徒の顔が掠めて…と言うか… 夕理とナルトがダブって見えて…。
俺は少しだけ溜息を吐いたり…。


「何ナルトみたいな事言ってるのよ〜 夕理」


「良いでしょ♪カカシより年近いし…それにしても…オネー言葉止めてよ〜。それなら何時もの親父が読むようなイチャパラ片手のカカシの方が良いよ」


ゲンナリとした表情で、切実に 夕理は言い切った。


「やっぱりオジサンだと思ってるんだろう」


少しだけ恨めしそうに言うと、 夕理は少しだけ苦笑いをした。


「全然。オジサン度的に言うと…アスマさんの方がオジサンだから安心してよ」


ニッコリ笑って 夕理は言い切った。


(一体なんの根拠なんだろうか?と言うより…その自信は何?)


瞬時にそんな感情が浮かんだ。


「何の基準な訳? 夕理」


  夕理の基準がサッパリ分からなくて…俺は思わず呆れた声でそう聞いた。


「特に無いかな。しいて言えば、趣味が将棋とか囲碁ってオジサン臭いからかな。…あ…っそうなるとシカマルもオジサン臭いか」


腕を組んで、 夕理はウヌヌヌと唸りながら悩んでいた。
そんな 夕理を見ていて…ふいに柔らかい気持ちになった。
年相応で楽しそうに笑っている…一人の少女の 夕理。
それが…とっても嬉しく感じていた。

昔の自分とは考えられないくらい…素直に感じた。
だからだろうか…?
四代目との交わされた宿題の答え…。
色々な出会いと変革…。
この13年で色々な事があったな〜と爺臭くも感じずにはいられなかた。





俺の前にやってきた小さな女の子は…

何時しか…自分でも気が付かないくらいに…

無くては成らない存在になっていた…

ソレは…人は恋いだの…愛だの…

言うのかもしれない…

妹のようで…

もしかしたら…娘のようで…

でも…対等に話せる友人のようで…

ただ揺るぎなく…変わらない想いは…

きっと…ただ大切だと言うことだけだ

そうれが俺が出した…先生への答えだった…


ーねぇ…カカシ…君は、誰かを守りたいと思った事は有るかな?ー


「ええ居ますよ俺にも…守りたいモノが…四代目…貴方の予想通りに…」



浅く沈んだ思考の中でふいに聞こえる、自分を呼ぶ声…。


「カ…カシ」


ドベシ。
鈍い音と共に、何かが俺の顔にクリーンヒット。


(何故…こんな所に…コンニャクが…)


ヌルッとしたコンニャクを顔から外して、俺はぼんやりと考える。
すると…凄まじい声量の声が俺の耳の中に入る。


「コラ〜ッ!!カカシ遅い!!!」


(コンニャクと 夕理…ああ、そう言えば 夕理と話っていたんだっけな…それにしてもコンニャクって…)


やっと自分が現在立たされている場所に気が付く俺。
そして、当てられたコンニャクについて抗議すべく俺は口を開いた。


夕理…人に物を投げたら危ないって何時も言ってるだろ」


「遅いカカシが悪い。それに何度も呼んだけど反応が無かったんだよ!クナイ投げられなかっただけましだと思うけど」


腰に手を当てた 夕理が、ハッキリと言い切った。


「遅いって…。俺だって色々考える訳だよ分かる?(それにしたって…危うくクナイ投げれそうになった訳?実は嫌われてる?)」


苦笑混じりに俺は 夕理に返す。


「じゃ〜感傷に浸っているカカシが悪い」


すかさず、俺の言葉に 夕理がツッコミを入れる。
しかもかなり早いツッコミだった。


(絶対0.0何秒台切ってるよ)


「そんなコト言われてもね」


のらりくらりと、俺は 夕理に言う。
すると先程までの、ふざけていた顔から… 夕理は真剣な顔になって意外な言葉を口にした。


「振り返るのは後でも出来るのだもん。でも今はあっという間に、過ぎていくんだよ」


「え? 夕理…お前…」


俺は思わず…言葉を発していた。
でも 夕理は俺の言葉など聞いていないかのように…一旦言葉を切ると 夕理は、何時もの表情で…相変わらず…人様に指を指して言葉を発した。


「そう今は…目の前の敵(ラーメン)を倒す(食べる)コトが重要なのだよカカシ君!!」


ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら。


「ぷっ…ハハハハハ。 夕理らしいね」


笑いを噛み殺さずに声を立てて笑う俺。
そうすると 夕理は少し頬を膨らませた。
(そう言う顔してると…年相応に見えるんだけどな)なんて思う。
そんな些細なコトで、嬉しくなる自分に何だかな〜と思うけど…


「ほら…敵(ラーメン)を倒し(食べ)に行くんでしょ。グズグズしてると、ナルトに限定ラーメン食われて無くなちゃうぞ」


今だに俺にラーメンについて熱い 夕理を見て、ちゃかすように俺は 夕理にそう言うと…。


「ゲッ…それはマズイ〜」


本当に焦ったような顔をして俺を見る 夕理。


「ホラホラ、行くよ 夕理」


そう笑うと、俺と 夕理は一楽へと歩き出した。

君が居て…木の葉が有って

教え子や友達…仲間が居る

そんな現在(イマ)がある…今はただそれだけで、十分。



END



  2002.12.31 From:Koumi Sunohara




        ★言訳★
68680HIT九尾夕理様へ
遅くなりましたが、キリ番のお届けになります。
NARUTOのカカシドリームです。
設定等を、折角立て頂いたのに…なにやら…
話が違う方に…。
勝手に四代目とかチラリと出してみたり…。
ギャグは何処へ…って感じですね(汗)
凄まじい暴走ぶりでしたが、如何だったでしょ
うか?かなり不安で仕方がありません。
こんなんで宜しかったでしょうか?

それでは又機会が有れば、書かせて下さると
幸いです。
From:すのはら江美


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