キリ番リク駄文(68000HIT佑華様に捧ぐ)
人の表情は、くるくる変わるから面白い。
だから飽きたりしないんだって俺は思う。
仲が良い友達とか彼女とか。
毎日、連んだって…飽きね〜って言うのはそう言う事だと俺は思う訳なんだな。
そう言えば、先輩方が「やっぱり好きな人には、何時も良い顔でいて欲しいよね」何て事を言っていた。
俺も“好きな人には、笑っていて欲しい”し“良い顔”で居て欲しい。
だから、俺は無い頭で考えた。
テスト勉強何かより…。
一生懸命に。
そして俺は…一つの答えを導き出したのである。
突然だが…。
『人間の動力源と言えば?』って尋ねられたならば…。
俺コト桃城武は…間違いなく“食い物”って即答で答える。
イヤ誰が何と言おうとも、間違いね〜俺はそう答える。
スッパリ、キッパリってな。
何せ男は直球勝負って言うし(←野球漫画?)。
まぁ〜乾先輩辺りに、「桃…人間の動力源って言うのはね…うんぬかんぬん…<以下省略>」と長々と説明された上に、否定されそうだが…。
幸いして、此処にはそんな乾先輩が居ないから…まったくもって問題無しって訳だ。
で…話は戻るが、結局人ってもんは旨いモン食ってる時っていい顔すると思う。
実際俺は良く「桃って食ってる時幸せそうな顔してるよね」とか「お前に食い物与えとけば、万事解決」とか「本当に幸せそうに、食べるよな桃って」と言われるから。
俺自身も食べてるときと、テニスしてるときが目茶幸せだから…そうなんだろうと思う。
(これを思った時に、俺はコレしかね〜!!)と思った。
【人間は食ってるときに、幸せな顔をする!!】
それが男、桃城武弾き出した答えだった。
食える時にドンと食え!〜それは勘違いから始まった〜
自分で導き出した答えを遂行すべく、俺は颯爽と彼女であり…クラスメートであるの机の前に陣取った。
「と…言う訳だ。さぁ〜遠慮はいらね〜、ドンと食ってくれ」
言うが否や、俺はの前に大量の食物を机の前に並べてみた。
一応…の好きな食べ物や、デザート等も…俺なりに揃えてみたりした。
「…(汗)桃…コレから、お店屋さんでも始めるの?」
呆然としながら、そんな事を口にする。
俺は意味が分からずに、首を傾げながらに言葉を返した。
「店?んな訳無いじゃん」
「…」
「どうしたよ?おお…さては遠慮してるのか、別に金なんて要求したりしね〜よ」
の反応が無くて、俺はそう言い返してみた。
「いや…あのね…桃…そう言う問題じゃないと思うんだけど…」
それに対して、固まっていたが慌てて口を開いた。
「じゃ〜何なんだ?はは〜ん、さてわ嫌いな食べ物でも有ったんだろ♪」
遠慮がちなに俺はピンときてそう言ってみた。
(きっと嫌いな食べ物が有ったに違げ〜ね〜。だから遠慮すんだろうな。うんうん)
等と俺は勝手に解釈していた。
「別に私好き嫌い無いよ。寧ろ、此処にあるのも…美味しそうだけど」
しかしの言葉は、俺の反応とは違ったモノだった。
(嫌いじゃね〜のか?じゃ〜やっぱり遠慮してんのかね)とぼんやりと俺は思った。
「じゃ〜食えよ」
俺は有無も言わさずにそう言う。
「だからね〜、何で急に私がこんなに大量の食物を食べねばならんのかね?
と…言うよりコレをどうやって食べろと言うのだね?」
“ヤレヤレ”と呟きながら、はそんなことを俺に聞いてきた。
「そりゃ〜勿論、口から入れて胃に入れるに決まってるじゃね〜か」
俺は至極当然にそう答えた。
(それぐらい、俺だって知ってるんだからな)などと、少し得意げに思っていた。
「いや…人間の食物を食べる食べ方を聞いている訳じゃ無いんですが…」
俺の様子に、顔を顰めては言う。
「何で〜ぃ、じゃ〜何なんだよ」
俺はの態度の意味が分からずに、そう聞き返した。
だってよ〜俺って、直球型だからさ。
「私、お弁当持ってるんだけど」
溜息混じり、は自分のものであろう…お弁当箱を指で示す。
「そんくらい、余裕だろ?」
「桃と一緒にしないでよ。私のキャパシティーの許容範囲超えてるし」
「何とかなるって」
「太るし…」
「ガリガリより、ましだろ」
「そう言う問題じゃ無いし…。それより、桃はご飯食べたの?」
「うっ…」
ふいに切り替えされた言葉に、俺は言葉に詰まる。
何故なら…の前に置いている食料は、俺の昼飯の一部だったりするからだ。
そんな俺の態度が、モロバレタのかは大きな溜息を1つついた。
「あのね〜桃。桃が何を勘違いして、こんな事してるか分からないけど…私はね、桃が美味しそうに食べ物を食べている所を見ているのが好きなんだよ」
は一旦言葉を切って、また言葉を紡ぎだした。
「桃…だからね、私に沢山食べさせようとして…自分の食べ物を犠牲にしてほしくないんだよ」
困った様に眉を寄せて、は俺にそう言ってきた。
俺はの言葉を聞いて、少しだけ複雑な気分になる。
(俺のやっていた事は間違っていたのか?)
の言葉に益々ぼんやりと思う。
(ただ…が嬉しい顔して、食べてくれると思ったのは…やっぱり変だったのか?)
そこに、がまた言葉を紡いだ。
「別にね、桃の好意が嫌な訳じゃないの。唯ね、自分で食べれる量って人それぞれ違うしね、私はコレで足りるけど…桃は違うでしょ」
自分のお弁当と、俺の持って来た食料を交互に示しては苦笑を浮かべていた。
「俺の事は良いんだよ」
「分かって無いね、桃ったら」
溜息混じりに、発したの言葉に俺は憮然とした表情で見返した。
「分かって無いって、どこら辺がだよ」
「そう言う所だよ桃。それに、そんな眉間に皺なんて…桃のキャラじゃないよ」
言うが否や、は俺の眉間を人差し指で突いてきやがった。
“まるで、3年の手塚先輩みたいだよ”と言って。
「な…」
咄嗟の事に、俺は思わず呻いてしまった。
じっに間抜けな声で。
「クスクス…それでこそ桃って顔だよ」
は楽しげに俺に笑って言ってきた。
「どんな顔だよ」
俺は悔しさのあまり、ふて腐れた子供みたいに(十分子供なんだけど)…ソッポを向いた。
それを愉快そうに、が笑っていた。
(ちょっとムカツクかもしんね〜)
何て思っているとはまた、言葉を発しだした。
「あのね…私は桃が、半端じゃない量の食料を平らげていく姿が好きだよ」
“ニッコリ”そんな形容牛が似合うような感じの、柔らかい笑顔では言う。
「それに…桃城武様が、お腹が空いて力が出なかったら…テニスに力が出ないでしょ」
それから急に…悪戯っぽく、片目を瞑っては言葉を言い切った。
「でもよ〜」
俺は文句の言葉を言い出そうと口を開いたが、は間髪入れずに言葉を紡ぐ。
「あら駄目だよ。全開バリバリの桃のテニスじゃないと…」
「じゃないと…?」
「私が満足出来ないんだもん。と…言う訳だから、さぁ〜サクサク食べてちょうだいね桃」
俺が見たかった、良い笑顔を向けながらはそんな事を言ってきた。
そんな顔をされたら…頷くしかなかった俺であった。
「ほ〜ら、ファイトだぞ桃」
の言葉につられるように、食べ物手を伸ばした…現金な俺。
結局俺は、の言葉にマンマと乗せられて…持ってきた食べ物を全て平らげた。
その様子をは、何が楽しいのか…楽しそうに見ていたのが実に印象的で…。
(計画は失敗に終わっちまったけど…の良い笑顔が見れたから、良しとしとこう…)
何て思ったりしていた。ちょいと…残念だけどな。
****その後****
某日のテニスコート、部活中にて…。
桃城は普段しないような、ぼんやとした顔つきで空を仰ぎ見ていた。
そんな桃城の様子にテニス部一同は、不思議なモノを見る様な目つきで、遠巻きに桃城の様子を伺っていた。
桃城はそんなことなど知るよしもないので、相変わらボンヤリとしていた。
サッ。
急に桃城の前に大きな影が視界に入った。
普段の桃城ならば気が付くはずの、その影。
しかし…桃城は気が付くこともなく、已然として反応が無かった。
「ふ〜っ」
桃城の様子に、影を作っていた人物…青学きってのデーターマン…乾貞治氏は呆れたように溜息をつき、桃城に声をかけた。
「桃何か有ったのか?」
桃城は乾の方に“ノロノロ”と視線を移し、考え深げに言葉を紡いだ。
「乾先輩〜、人ってどういった時に良い顔するんスカね?」
桃城の意外な反応に、厚い眼鏡の奥で少しだけ動揺をみせながらも…乾は後輩である桃城に言葉の先を促すべく言葉を発した。
「急になんだよ桃」
乾の言葉に、さして興味を示すわけでもなく…桃城は短く答えた。
「いや何となくス」
「ふ〜ん。そうだね、桃の場合は“食べてる時”“テニスしてるとき”じゃない」
「…」
「ん?どうした、違ったかな」
特技(?)逆光で、眼鏡を光らせた乾先輩が俺にそう返した。
「いや…同じ事言われたもんで」
乾の言葉がと同じものだったので、思わず桃城は乾いた笑いを浮かべてそう返した。
(エスパーか…コノ人は…)
何て思ったりもしりもした。
「同じ事ね〜…」
桃城の反応に、意味深な笑みを浮かべる乾。
「何スカ…乾先輩、意味深に笑って」
「はいはい。そんなにムキになるなよ桃。それと先の続きだけど…好きな事
をしてるときじゃないかな。ちなみに、俺は今野菜汁を作ってるときが至福の時だけど」
何処からともなく野菜汁の入っているポットを取り出して、ニヤリと乾は不適に笑う。
“ああ、良かったら飲んでみる?出来たてで、新鮮だよ”などと後から、呟
くように言いながら。
「野菜汁については…聞いて無いス。しかも野菜汁は間に合ってます」
桃城は、引きつりながら…間髪入れずに断りの言葉を乾に返す。
「そっ…残念。今度、さんにも…」
乾は言葉を途切れ途切れ繋ぎながら、桃城の彼女であるの名前を口に出す。
「な…何で名前まで、知ってるんスカ?」
当然ながら桃城は驚いた。
驚きながらも、桃城は乾に尋ねる。
「俺を誰だと思ってる訳…桃城」
普段の“桃”と呼固有名詞を、“桃城”にわざわざ変えて乾は、“何か企んでいます!”的表情を浮かべて
「ハハハハ…青学のブレーンですね」
凄まじく乾いた笑いに乗せて、桃城はそう言うのが精一杯だった。
(データーマン…乾先輩…(汗)つーか何でそんなデーターまで有るんだよ…と言うより…もはや私立探偵顔負けじゃ…あぶね〜あぶね〜よ)
「ブレーンって程凄か無いけどね。まっ…データーは嘘をつかないって所かな」
逆光を受けながら乾は楽しげにそう言った。
「いや〜そう言えば、俺越前とダブルスの練習するだった…」
「ふ〜んダブルスね〜。良かったら、俺がアドバイスしてあげようか?」
「ハハハハハハ。乾先輩の手を煩わせる事無いと思うので…結構ス」
桃城はジリジリと後ろに後ずさりながら、言葉を紡ぎ終えると…走り出した。
乾の言葉をまたずに…。
ダダダダダダダダダダダダダダダ〜ッ。
凄まじい音と砂吹雪を起こしながら、脱兎のごとく乾の前から走り去った。
「青学一の曲者がね…ん〜それとも、彼女の方が曲者なのかな…。流石と言うべきかな…まぁ〜良いデーターがとれた」
ブツブツと呟きながら恐ろしい事を呟いていた姿を見たモノ、幸いにして誰も居なかったらしい。
桃城武に不吉な影を落としして、今日も桃はテニスに励むのであった。
おわし?
2002.12.19. From:Koumi Sunohara
★言訳★ |
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