『安定剤』


心からの笑顔

偽りなど無い、自然な微笑み

皆に、勇気や優しさと言う、力を与える魔法

何時からだろう?

‘それが’出来なくなったのは…

写真に写る僕の顔が、微妙に笑ってなかった

それが、気がつくきっかけだった

でも、本当に気がついたのは…

僕の大切な存在が、純粋な人だから

そう、笑顔がとっても印象的だから



ある日大輔君が、真剣な顔をして、僕を見ている。

「どうしたの、大輔君?」

「お前さ…」

大輔は少し躊躇しながらも、言葉を繋いだ。

「何で何時も、無理して笑ってるんだ?」

“無理して笑ってるんだ?”

以外な言葉だった。
少し僕は考える。

「嫌〜、違うなら良いだ。俺の勘違いだったみて〜」

大輔君は、慌てて話を止めた。

「何で…」

「何で、そう思ったの?」

僕は、言葉を一度きり、さらにことばを紡ぎ出した。

(別に、僕の昔の写真見たわけじゃないんでしょ?)

尋ねる僕に、大輔君は不思議そうに見つめ、少し唸りながらも、返事を返す。

「お前、笑ってるけど…、ちっとも楽しそうじゃない事多いからさ」

「え?」

僕は驚きを隠せづ、思わず顔に出てしまう。

(何で、判るのだろうか?ヒカリちゃんだって、滅多に気がつかないのに…)

「へー、お前でも驚いた顔するんだ?」

大輔くんは、面白い物を見つけた様に僕をみる。

「僕だって、驚く事ぐらいあるよ」

ふと、顔が緩むのがわかる。

「でも、クラスの連中に見せないよな?」

少し小首を傾げて、僕を覗き込む。
何だか、そんな表情を見せる大輔君が可愛くてたまらない。

「あああ、ヤマトさん達と話してる時は楽しそうだけど」

大輔君は、思い出したように呟く。

「…」

でも、僕は可愛い大輔君の顔しか頭に無く、返事に遅れる。

「おーい、タケル」

僕が返事しないせいか、大輔君が僕の目の前で、手をひらつかせている。

「え?別にそんな事無いよ」

「まー、良いけどさ。でも、少しぐらい、肩の力抜けば?そしたら、少しはお前も楽しい事とかできるんじゃない?」

少し照れながら、大輔君はそう言った。

「僕、我侭だから、一度許してもらちゃうと、歯止めが効かないんだよ」

(自由が似合う、大好き大輔君を束縛したくないから)

僕は大輔君に、そう返す。

「別に良いぞ!俺だってお前に迷惑かけまくってるし」

「うーん、僕独占欲も強いだよ」

「かまわね〜」

「大輔君は、優しいね」

ボス。
僕は甘える様に、大輔君の胸に頭をもたげる。

「優しいかどうか、知らないけどな」

黙って僕の頭を軽くなぜる。

「1人にしないでね」

「はいはい」

「やぱり、大輔君てカッコイイねv」

「あったりまえだ!!」

ニヤリと大輔君は笑った。
僕も自然と、笑顔がこぼれた。

「あれ、タケル?」

僕の大好きな笑顔で告げた。

「お前、ちゃんと笑えるじゃねーか!!」

「え?」

「普段の作り笑いなかより、数段いいって!!俺は、こっちの方が好きだぜ」

(好き?僕の笑顔が?)

「そうかな?」

戸惑う僕に、大輔君はとびきりの笑顔をくれる。

「じゃー大輔君専用だね」

「な…な何言ってだよ〜」

顔を真っ赤にして、慌てる大輔君。

「言ったよね、僕我侭て」

「まーな」

「だから、大輔君は僕だけ事考えてて、言わないから僕に笑ってよね」

「分った」

真剣な顔で大輔くんは、頷く。
その隙をついて、大輔くん頬を掠める。
口をパクパクさせた大輔君。

「だから、歯止めが効かないて、いったでしょ」

「たける〜」



もう1度笑う力を与えてくれて君の優しさ

笑顔が、僕の安定剤だから

君が、笑っていれるように、強くなるよ

Fin

2000.12. From:Koumi sunohara

☆あべスミス様へ☆

あわわわ〜、ちゃんと書けてるか不安です。
何だか、タケ様はしおらしくなってしまうし…。
こんな、ものでよければ貰ってください。
by:すのはら江美



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