13)紙一重 |
−幸運と不幸は背中合わせ− |
運の善し悪しは、ささいな事で決まるだろう。
例えば、たまたま早く起きたから人身事故に巻き込まれなかったとか…。
ちょっとのズレと、些細な偶然で決まるものなのだろう。
それに当たる時点で、運が良いだろうな。
もはや神の領域ってやつなのだろう。
小難しい事を抜きにしても、運が良いと言う事とは結構無縁な俺。
何せ至って普通の学生だしな。
これって平凡て言うのか?
まぁ兎も角だ…。
平凡を売りに…いや…売ってはいないが…。
平凡な俺には、ツキまくる程の強運何て無い。
懸賞に出しても、微妙なモノが当たる。
年賀状の景品も記念切手。
まぁ俺は切手収集が趣味だから助かるんだけど…。
それって結構誰でも当たる物だから別に運がよいとは言えないと俺は思う。
それに比べて、俺のチームメートであり友達の千石は俺とまったくもって正反対。
派手だし…派手は関係無いけど…。
千石は運が良い。
当たり付お菓子を買えば、必ず当たると言う程…千石は運が良い。
しかも懸賞品嵐の異名を持つほどに…。
それは自他共に認める事実だ。
俺も事実千石は運が良いとは思う…。
しかしだ…。
俺は…(運が良いとは言い切れ無いんじゃ無だろうか…)と出会った頃から思っていた。
だけど、俺がそんな事を言った所で誰も納得しないだろう。
東方辺りに…。
「懸賞品荒らしの彼奴が不幸だったら、俺は何なんだ南」
悲痛な叫びを聞かされるだろう。
錦織も喜多も新渡戸も…返ってくるのはそんな言葉に違いない。
亜久津は鼻であしらい、壇辺りは…良く分からないテンションで「凄いです!」などと連発するに違いない。
そう考えるとやっぱり俺一人の意見では、納得しては貰えそうにない。
それとも、俺の深読みなのか…勘違いなのか…はたまた…考えすぎなのか?と思うのだけど…。
最近後輩の室町が…。
「千石さんは…運が良いんだか悪いんだか…」
溜息混じりに言っていたのを耳に挟んだ。
それを聞いた俺は、同士がココに居たんだと意味見もなく嬉しくなった。
そしてやっぱり思う…。
ここぞと言う時の勝負に弱い。ここ最近の試合は特にそれが言える。
勿論、青学の桃城と不動峰の神尾との試合である。
そういう場面こそ本当に運の良い奴なら、乗り切れるじゃ無いだろうか?
そう考えると千石は今までたまたま運が良かった風に見えただけで、別に運が良い奴って訳じゃ無いと思う。
試合を運に任せる気も無いけど…運が悪かったと納得してないけど、結局。
まぁー試合に負けた事については…俺がどうこう言わなくても、千石自身が何が悪かったかなんて気が付いているだろうし…伴爺も居るからとやかく言う必要は無いと俺は思っている。
だから負けたことも、千石にとって
色々考えて行き着く先には…。
(ん?トータルで考えるとやっぱり運が良いのか彼奴?)
堂々巡りのそんな答え。
(結局俺も運が悪いと思いつつ良いなぁ〜)なんてどちらとも言えない答えがハッキリと浮かび上がった。
ラッキーと呼ばれる千石
何時だってアイツは…
運が良いのか?悪いのか?
そんな事は明確じゃ無いけれど…
それでも何時かラッキーという不確かな呼び名が千石から無くなれば良いのにと、俺はこっそりと思うのだ。
(あぁ…その前に俺と東方に付けられた不名誉な呼び名撲滅が先だよなぁ〜)
何て…無い物ねだりが頭が過ぎった。
運の善し悪し
ちょっとした事で変化する物事
それはきっと…
紙一重
おわし
2004.4.13. From:Koumi Sunohara
★後書きと言う名の言い訳★
南ちゃんの千石さん語り。 故に短いです。 Jr選抜の話しに比べたら遙かに短い…。 紙一重で思いついたのがこんなモンだったもんで…。 何か別な事が思いついた暁には、こっそり差し替えしておこうと思ってます。 |
BACK |