約束は守るために存在するが… |
目標ははたして…どうなのだろう? |
立海大付属テニス部には、とある掟が存在する。
ご存じの負ければ、鉄拳制裁は幸村入院後の話だが、色々と他にも掟が有ったりするのである。
コレはその掟の一部のお話である。
立海テニス部部室には、半紙に達筆な字で書かれた教訓と言うか…今月の目標みたいなモノが書かれ…目立つところに貼られている。
勿論その達筆な字を書いているのは、書道を趣味とする真田の書いたモノと他ならない。
ちなみに…この行動は、幸村が二年生で部長に就任した時に、作った掟なのだ。
余談で有るが、その目標は幸村が入院しても続けれている。
それは…毎月副部長である真田が、部の様子を幸村に報告する度に、幸村から受け取り…目標を部内で提言しているのである。
不定期訪問も多い幸村の病室だが…。
今日は毎月恒例の部内報告をまとめたモノを持ってきた、真田が幸村の病室に訪れていた。
幸村は、わざわざ足を運んでくれる友人に労いの言葉と共に、ベット横に備えられている椅子に真田を促した。
真田は幸村の心遣いに感謝しつつ、言われたように椅子にこしかえたのだった。
談笑を混じえつつ真田と幸村は意見交換に花を咲かせた。
「真田…今月の目標決まったよ」
ベットの側に備え付けれれた、棚の上からメモ紙を取りながら幸村は真田に告げた。
こんな床に伏せてる状態なのに部の事を考えている幸村に真田は感動していた。
(流石幸村…部の事をどんな時でも考えるその姿勢には、何時も頭が下がる思いだ…)
幸村の姿勢に感動しつつ真田は、幸村に返す為に口を開いた。
「そうか…何時もすまないな…」
「何言っているんだよ真田。俺の方こそ、皆に迷惑かけているんだ…これくらいはしないとバチが当たってしまうよ」
「そんな事は無いぞ。まぁ幸村が、そう言ってくれるだけ、俺たちは助かるものだが…。して…その目標はどんなモノなんだ?」
真田に問われた幸村は「ああ、そうだったね」と口にしてから、今月の目標を紡いだ。
「『スリルより…守ろうマナー君の腕』…と言う目標に決めたんだ」
良く響く声で、幸村はしっかりと言葉を紡ぐ。
目標を公表した幸村に、真田はらしくも無く少し戸惑った様子で幸村を見た。
「幸村…それは…」
真田は困惑気味に言葉を紡ぐ。
そんな真田に、幸村は笑顔で自身が言った言葉に補足を付けてゆく。
「何処かの交通標語でね。実に共感できる内容だったから使うことにしたんだけど。何か変かな?」
「変では無いが…それは、部全体を指しているようには…。俺はそう思っただけで…幸村に考えが有ってのことかもしれんが」
「ふふふ流石真田だね。本当は…最近赤也の行動が目に余るモノが有るからね…コレを機に落ち着いてくれると良いと思ったんだけど…。どうだろう?」
「確かに…最近の赤也の行動は目に余るもが無いとは…いや…有るが」
『無い』と一瞬考えた真田だったが、普段の赤也の行動を思い出し言い直す。
それを見た幸村が「じゃ決まりだね」と真田に言う。
真田は間違った事を言われていないので、納得するしかなく…しぶしぶ「分かった」と口にする。
一方…真田の承諾を得た幸村は…。
「勿論、守れなかったら来月も…再来月もこの目標で行くよ。王者立海の品性が問われては、いけないからね」
ニッコリ笑って言う幸村に、真田は頷くしか無かったのであった。
結構決めたら引かない男…幸村精市。
有る意味真田より頑固な男である。
三年現在この目標は未だ守られていないのは言うまでも無いだろう。
おわし
2004.9.24. 再録 From:Koumi Sunohara
★後書き+言い訳★ 2004.4.13からweb拍手に掲載していた幸村+真田小話です。 新しい話の入れ替えにより、此方に移動させました。 しかも…オチが上手くいかず…無理矢理幸村スマイルで締めました…。 立海キャラは上手く掴めませんね。 何ら面白味の無い小話でしたが、少しでも娯楽になれれば幸いです。 |
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