撒かれた水  

とっても優しい私の親友は、どこまでも優しい子。

自分がどんなに辛くても、自分よりも他人を優先してしまうそんな子。

泣き虫で…引込みじあんで…内気で…コンプレックスの塊が服を着て歩いてるみたいな私の大事な親友は、色々な経験とジュエルランドでの生活で少しだけ…うんうん…凄く強くもっと優しい子になった。

人の事なのに、自分の事の様に悲しんだり…喜んだりするそんな、あかりを見ている内に私も我儘だった自分が少し優しい気持ちを持てるようになったように思う。

変わっていく事に…どんどん違う私になっていく事に嫌な感じでは無く…何だか素敵な気持ちになる。

ジュエルスターになって夢を叶えたい自分。

でも、成れなくても全力を尽くしたならそれでも良いと思える様になったのはやっぱり、あかりのお陰だと思う。

成し得ることも大事だけど…今までの過程が財産だとそう思えるの。

きっと…きっと、私以外の沙羅もレオンもニコラもきっと同じだと思う。

あかりに出会って変わった。

それは凄く良い意味で。

ただ無我夢中で、クイーンオブポップになりたくて歌っていただけの自分にとって…足りなかった思いやりや優しさや…様々な人との触れ合いの意味を…あかりと出会って…皆と出会って分かったような気がする。

1人よりも…仲間で分かち合う方が断然楽しくて嬉しい。

ガーネットや珊瑚と食べていたご飯やスイーツも確かに美味しかったけど…あかりと沙羅とレオンとニコラと楽しくお話ししながら食べる方が何百倍も美味しいし楽しい。

きっと見落としがちな、そんな些細な事でも幸せで大事だと思えるのはきっとあかりが居たから。

1人だけ集まらなかった最後のジュエルストーン。

悔しくて…悲しくて…でも、自分の心を移すジュエルストーンだからきっとまだ何かが足りないことだとそう思って、せめて皆の背中を押そうと決めた。昔の私なら、泣き叫んで…駄々をこねて…癇癪を起していたけれど…自然と皆を応援する事が出来た。

結局それが私の足りないもので…ジュエルストーンを手に入れて、ジュエルスターグランプリまで出る事が出来た時も、あかりは自分の事の様に喜んでくれた。

凄く嬉しくて、彼女らしいと素直に思えた。

さりげない優しさに私は、凄く温かい気持ちになった。

日本には、暑い日い地面に水を捲くと涼しくなるという行為があると何かの本で読んだ気がした。一般の家でもそうだけど、お店が涼を演出して涼しい空気と共にお客さんを呼び込むとも…。

気が付きそうで気がつかないちょっとした、気づかいで日本人は人に対してそういう行為をする。

あかりはそれが顕著に出ている。
何気ない優しさ、思いやる心。
彼女の優しさは…そんな優しさがあるのだ。

忘れそうなそんな優しさが酷く、心にしみわたる。
ゆっくり、ゆっくりと…地面に水が少しづつ吸いこんでいくように…。

そんなあかりに、私は心から言いたい。

「私と友達になってくれて…ありがとう」

そう心のそこから。



おわし


2012.9.4.(WEB拍手掲載2012.8.14.) From:Koumi Sunohara

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