青い鳥はすぐ側に居る。
ラブ達の住む土地で読まれる童話の話しに出てくる一文。
本当に大事なものは、みじかにあると言う事を教える話しなのだと言う。
その話しを読んだ時、(本当かしら?)と思ったけれど、今は少しだけわかるような気がする。
−幸せは青い鳥の様−
メビウス様に支配されていた頃は、決められた事柄を淡々と過ごす毎日だった。
あの頃は、それが当たり前の事だから、気にする事などなかったけれど、一度イースとしての生涯を閉じ、東せつなとして、ラブやお父さんやお母さんと過ごして居る内に、決められていない生活は、大変だけど楽しいものだと言う事がわかった。
家族で食べるご飯に一家団欒。
クラスメートとの何気ない一時。
寄り道で食べる、カオルちゃんのドーナツ。甘い甘いドーナツは一口食べただけで気分が楽しくなる。これは、イースだった時の東せつなを演じた時に食べた時も、不思議と勝手に頬が緩んだ事を今でも忘れない。
ある意味、その時からラブ達の生活に知らない内に惹かれていたのかもしれないけれど…。
そして、料理をする事。お母さんに習いながら作る料理は、習っている時も、食べてもらう時も楽しい。馴れなくて形がいびつになった、手作りのコロッケは、形が悪かったけれど何故かとっても美味しいかった。
ラビリンスでは体験した事の無い、数々の出来事ばかり。
ありふれた日常が、とても楽しくて、時に悩む事や悲しい事があるけれど、それ以上に何処にでもある幸せ。
そして、悲しみも、辛さも次に踏み出す力に出来る事を、ダンスを通してミユキさんや皆に教えて貰った。
不幸になることは簡単だけど、それ以上に周りには幸せの種が至る所に落ちている。そんな風に感じる。
決められた毎日は、ある意味凄く楽だけど…喜びも楽しさも無い日々。そこに有る違和感にも気がつかなくて、それを当たり前の様に過ごす。
でも今は、どうでもよい事も、毎日の空も…風も花も…同じでは無い日常がある日々が幸せな事だと感じる。
この青い鳥の存在を、どうかラビリンスの国民やウェスターやサウラーにも何時か気がついてくれる日がくること…願いたいと最近切にそう思う。
変わらないようで変わる毎日の、ありふれた日々が本当に幸せであることを…。
何時か伝われば良いと思う。
青い鳥はすぐそばに居るのだから…。
おわし
(web拍手掲載:2009.2.28.)2010.3.31. From:Koumi Sunohara