極彩色の季節




日の光りを浴びてキラキラと輝く川辺の水面。鮮やかな緑の木々の色。
色を放つ様々な植物や様々なモノが鮮やかに共演する。

そんな極彩色の季節は、私は好きだ。


夏と言う季節は鮮やかな色を放ち、生き生きとした息吹を漂わせている。

それはアノさんさんに輝く力強い太陽の成せる技なのだろう。


そして夏は不意にある人を思い出す。

まるで、歌で夏の日に行った場所を思い出すように…私はある一人の人を思い出す。


真っ直ぐすぎる程の…信念を持つ人。

私にとって目標であり自慢の先輩を。


何時だって真っ直ぐな人だった。
教え方も上手くて、側にいるだけで元気を分けてくれるそんな人。



かってに作った私の中のイメージを壊して、違う一面を見せてくれた人。

騙されたと思っている自分だけど…気が付けば許して…更に存在が大きくなんた人。
不思議な魅力を持っている祐巳様。



例えソレが後輩に向ける営業用の笑顔であっても。
計算の対応であっても。
それら全てが計算し尽くされた事柄だとしても。



それでも貴方はお日様の様な人だった。
過去となった今でも、私の中の事実はソレ。


人一人で空気が変わる。

それは小さな奇跡。
舞台に立つと神が降りてくるような奇跡。


目立っている訳でも無い。ただ埋没された日常の奇跡。



本当に懐かしい。


リリアンを卒業して、あの方の妹という立場にすらなっていないけれど。
私のかけがえのない存在。



「ねぇ…祐巳様。この空の何処かで貴女は相変わらず人を元気をあげてるんですね」



お日様によくにた、この極彩色の季節が来るたびに…私は空を見上げて、此処には居ないあの方に呟くのだ。
夏によく歌われる歌のように。



おわし


2006.6.3.(改) From:Koumi Sunohara




★後書き+言い訳★
夏風10より…マリみて駄文。
web拍手にて2006.4.5.UPしていた物です。
細川可南子嬢視点お話です。しかも、リリアン卒業後で…。
妹になれなくても、瞳子ちゃんを交えた祐巳ちゃん達が好きなもので…心の中ではダブル妹です。

ともあれ、おつき合い頂有り難う御座います。


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