花酔い
−薄紅の迷図に誘われる−
桜の下には死体が埋まっている。
だから桜は美しい紅色をしている。
誰かの作品「桜の樹の下には」にも出てくる事柄。
木の葉の里でも多く見られる象徴的なな花である桜。
散り際の美しさと潔さから、武士の一生の例えにされたりと例えには必要な花。
私はそんな薄紅の花が大好きだった。
一面ピンクに染まる並木道に、薄紅の絨毯。
フワフワと夢心地に舞う花びらと、優しい色合いに心が浮かれる。
自分の名前もサクラと言う名だった所為もあって…余計に好きな花。
風が吹けばフワリと舞う様は、幻想的。
花びらの嵐を抜けたら違う世界に行けそうで…夢の世界に居るように思える。
その花に魅せられて人は、花見などをする為に集まる。
タンポポやシロツメクサが満開だと言っても、人は花見をしないだろうが…この花は特別だ。
花を愛でると言うことよりも、宴会がメインになろうとしても…花見をするのはこの花。
それほどまでに、魅せられ魅力がある花。
私もそんな風になれたらと、思うぐらいに素敵な花だと思う。
けれど、私は急にこの花が怖くなった。
夢の世界に居るようだと感じるに連れて…私は少しずつこの花の魔力に畏怖を感じるようになった。
あまりにも幻想的で…夢うつつで…儚く散る花びらと共に大事何かが消えるような錯覚が起きたからだ。
実際桜の花が連れ去るとか…消える筈何て無いのに。
それは私が忍びと言う…何時失われるやもしれない立場にたった所為かもしれない。
仲間が出来…波の国での命と隣り合わせの任務をして尚思う。
サスケ君…ナルト…カカシ先生
大事な人が出来た分…任務で奪った命を感じるたびに…余計に思う。
一気に咲く桜…儚く一気に散る桜双方に。
故に私は何度も幻影に追われるのだろう…紅色の迷宮に誘われるように。
おわし
2004.4.8. From:Koumi Sunohara